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「まねきTV」知財高裁決定

2007/01/29 03:02

 

知財高裁は、「録画ネット」につき著作隣接権侵害ありとしてテレビ局の請求を認めた原審を支持しましたが(平成17年11月15日決定)、「まねきTV」については著作隣接権の侵害はないとして仮処分を認めなかった原審を支持しました(平成17年12月22日決定)。

利用者側から見ると、ネットを通じてテレビ番組を視聴することができるという点でどちらのサービスも同様に見えます。それにもかかわず異なる結論が出されたのは、「まねきTV」システムは技術的に見て「1対1」の装置が複数あるだけだという評価が決定的だったと筆者は思います。

サービスを提供するために業者が自社内に設置した多数の機器とソフトウェアについて、「録画ネット」決定は、有機的に結合した一つの録画システムを構成していると認定しました。「まねきTV」決定は、「まねきTV」システムを技術的に分析すると「1対1」の送信しかできない装置が複数あるだけだと認定しました。

「まねきTV」事件でテレビ局が求めていたのは「送信可能化行為」の差し止めでした。「送信可能化行為」というのは、平たく言うと、サーバにデータを保管して「公衆」がアクセス可能な状態にすることです。特定かつ多数の者は「公衆」に該当しますが(著作権法2条5項)、特定かつ少数の者は「公衆」とは言えません。装置の一台一台は、「公衆」のアクセスを可能にするものではないから、「送信可能化行為」はないというわけです。

「まねきTV」に対するテレビ局側としては、この「1対1」という評価をどう崩すかが課題となるでしょう。

MS

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知的財産権制度の目的

2007/01/26 22:52

 

知的財産権というと、どうしても権利者保護という観点に目が行きがちです。翻って、そもそも知的財産権という法制度は何を目的に作られたのか考えてみましょう。

法律には、第一条にその目的が書かれています。著作権法はこうです。
「第一条  この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。 」

著作権法の目的が著作者等の権利を保護することにあるのは勿論ですが、それによって「文化の発展に寄与する」ことが大目的です。著作物の利用を著作者に独占させることが著作権の究極の目的なのではありません。つまり、

著作者にその著作物を独占的に利用できる特権を与える → 著作物制作に対する動機付け・報奨となる → 文化の発展につながる


という発想で、人類の文化の発展という遠大な目的を抱いているわけです。


特許法の目的も遠大です。
「第一条  この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。 」
と規定して、究極の目的は「産業の発達」であると謳っています。


参考までに、米国では合衆国憲法1条8節8項が連邦議会に対して次のような権限を与えています。
「To promote the Progress of Science and useful Arts, by securing for limited Times to Authors and Inventors the exclusive Right to their respecticve Writings and Discoveries」


このような遠大な目的を達成するために、知的財産の制作者にはどのような保護を与えるのが適当か。制作者の利害と利用者の利害との対立をどう調整するかを考えるにあたっては、この問題意識が出発点にあります。制作者による独占を認めることが、必ずしも文化の発展につながるとは言えない場合や、逆に阻害する場合もあるのではないか。どこにどう線を引くのが遠大な目的のためには望ましいのか。科学技術の発展や人々の意識の変遷につれて、線の引き直しを検討する必要も出てきます(例えば、盗撮はおそらく昔からあったでしょうが、デジタル化技術の登場は権利者側の危惧をより大きくしました)。


大きな話から始めてしまいましたが、次回はもっと小さく細かくなる予定です。

MS

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はじめまして

2007/01/26 14:41

 

縁あって新たにブログの仲間入りをさせていただくことになりました、梶谷綜合法律事務所です。弁護士12名、東京・丸の内で執務しています。

このブログでは、著作権などの知的財産権に関するさまざまな話題を取り扱っていきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いします。

MS

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