知財高裁は、「録画ネット」につき著作隣接権侵害ありとしてテレビ局の請求を認めた原審を支持しましたが(平成17年11月15日決定)、「まねきTV」については著作隣接権の侵害はないとして仮処分を認めなかった原審を支持しました(平成17年12月22日決定)。
利用者側から見ると、ネットを通じてテレビ番組を視聴することができるという点でどちらのサービスも同様に見えます。それにもかかわず異なる結論が出されたのは、「まねきTV」システムは技術的に見て「1対1」の装置が複数あるだけだという評価が決定的だったと筆者は思います。
サービスを提供するために業者が自社内に設置した多数の機器とソフトウェアについて、「録画ネット」決定は、有機的に結合した一つの録画システムを構成していると認定しました。「まねきTV」決定は、「まねきTV」システムを技術的に分析すると「1対1」の送信しかできない装置が複数あるだけだと認定しました。
「まねきTV」事件でテレビ局が求めていたのは「送信可能化行為」の差し止めでした。「送信可能化行為」というのは、平たく言うと、サーバにデータを保管して「公衆」がアクセス可能な状態にすることです。特定かつ多数の者は「公衆」に該当しますが(著作権法2条5項)、特定かつ少数の者は「公衆」とは言えません。装置の一台一台は、「公衆」のアクセスを可能にするものではないから、「送信可能化行為」はないというわけです。
「まねきTV」に対するテレビ局側としては、この「1対1」という評価をどう崩すかが課題となるでしょう。
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