数年前に、繁華街の路上で偽ロレックスを売っていて商標法違反の現行犯で逮捕された人の刑事弁護を引き受けたことがあった。
彼は外国人で日本語は片言しか話せないようだったが、接見の時には日本語で「ゴメンナサイ」を連発して、反省していると繰り返し述べた。
しかし、よく話を聞いてみると、彼はどうして自分が逮捕されたのかまったく理解していなかった。彼は「ロレックス」のロゴが付いた時計を売る時には必ず「本物ではありません」と言うように指示されていて、それを忠実に実行していた。そう言えば犯罪にならないと聞いていたのだ。
「それじゃ、さっきゴメンナサイって言ったのは、どうして? 何が悪かったと思ったの?」と私が聞くと、彼は答えに詰まった。しばらく考えて、出てきた答えは、「捕まったこと」。
まるで笑い話のようだが、商標について彼のような理解をしている人は世の中に実は結構たくさんいるのではないかとも思う。
MS


by EMMA
©マークの意味